Aconcagua/アコンカグア

■Mountain
Aconcagua/アコンカグア

■Date
2015/01-02

■Note
この旅が始まって最大の挑戦。学生時代に素人で登れる最大の山だよって何となく聞いていて行けるなら行ってみたいなと思っていた山。ただ漠然としていた野望だったのでホントに行けるのか、なんて思っていたこの山。標高は6,962m、ずばり南米最高峰の山アコンカグア。これ以上の高さの山はもうヒマラヤにしかないんだとか、それでもお金もないのでガイドも着けずラパスで誘った2人と自分の3人挑んできた。結果は、、、全員登頂とはいかなかったけど自分はなんとか登頂を達成。登る前から思っていたこの旅で何かのタイトルを獲得したいなと思っていた中ついに得た南米最高峰制覇の称号。嬉しいです。しかし登山中ホントにいろんなことがあった2週間だった。苦難あり、素晴らしい出会いもあり、濃密に濃密なそして過酷な日々を送って参りました。テレビでアコンカグアは有名になったらしいけどそれと違って何でも自分たちで上まで運んで自分たちでスケジュールを決めて登っていく。ちょっとした冒険でした。これだけは言えるけど、装備・食料を全てくっそ重い荷物を各キャンプ地まで運んでいくのはホントにキツかった。。もう2度と登りたくないw
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■How to get there
メンドーサからバスで平日は朝6時、土日は朝7時発のバスに乗りペニテンテスを目指す。55ペソ。ペニテンテスで荷上げの手配を済ませエージェンシーの車で登山口に運んでもらい登山開始。

→アコンカグア準備は前回の記事で。

■Sights

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Day1 In front of the gate
まずはパークの入り口で記念撮影。後ろにちょっとだけアコンカグアが見えている。

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Day1 Check in Aconcagua
登山口であるオルコネスでチェックインを済ませいよいよ登山開始。

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Day1 On the way to Confluencia Camp
初日は4時間の行程、オルコネスから最初のキャンプ地コンフルエンシアを目指す。スタート地点2900mから約500mのアップの3400mの地へ。写真は長閑な感じですが初日ということで荷物の総重は20キロ半ばくらいか? 肩、腰に初日から大ダメージ。メンドーサの堕落した日々もあって精神的にもキツかった。

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Day1 In Confluencia Camp
各エージェンシーが建てている大型テントを見てレイブ会場かと一瞬思った。ちなみに自分たちのムーラで利用しているエージェンシーの近くにテントを張れてエージェンシーが提供しているフリースペースだったりトイレだったりを無償で使うことができる。

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Day2 Mirador in El Francia
2日目は高度順応を兼ねてミラドールと呼ばれる4,100mほどのアコンカグアがよく見えるところまで3時間ほどかけてトレッキングし、またコンフルエンシアに戻ってくる。ただのトレッキングなので荷物が軽い軽い、前日と違って楽チンでトレッキングを。楽な1日。戻ってきてからヘルスチェックを無事パスし次のキャンプ地へ。

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Day3 On the way to Plaza de Mulas1
この登山行程の中でアタックに続く最大の地獄の一日。20キロオーバの荷物を背負い16キロ以上の距離、1000mを登りBC(ベースキャンプ)であるプラサデムーラスを目指す。究極にハードな行程。2人で1ムーラの所を3人で1ムーラだったのもあるか、重すぎて着いた時は足、股関節がボロボロに。普通に歩けず片足を引きずってしまうほどの筋肉疲労だった。

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Day3 On the way to Plaza de Mulas2
序盤はまだ元気だったので岩にのって記念撮影なんかしたり。

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Day3 On the way to Plaza de Mulas3
広大すぎてずーと何時間も同じ景色が続く、いったいどれだけ歩いたのかどれだけ歩けばいいのか。果てしない行程。肩、腰がホントに痛く。休憩後の出足の重さも辛く。日差しも強く日焼けがえらいことになった。

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Day3 On the way to Plaza de Mulas4
途中で何度か荷上げをするムーラの一段とすれ違う。

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Day3 In Plaza de Mulas
前半はなだらかな平地、後半3時間で一気に傾斜がキツくなり傾斜を登りきって到着。かかった時間は9時間。もう思い出したくない地獄の行程だった。1000m登ったので一気に寒く。特に朝晩はすごい冷え込む。

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Day4 In Plaza de Mulas
前日のダメージが凄まじいので休養日として何もしない。ストレッチを入念に筋肉をほぐしながら一日を過ごした。手抜き簡単パスタを作る私。

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Day5 Carrying our staff to Canada Camp
BCからムーラで荷上げされた荷物(60キロ)を受け取り、、、こいつらを持っていよいよBC以降のハイキャンプを目指していく。当然だけど一度に全部は持って運べないので2回に分けて上のキャンプ地へ運ぶ。500m登ってカナダという次のキャンプ地へ荷上げを実行。距離は短いとはいえこの日は前日から謎の超回復を果たしていた自分はサクサクと次のキャンプ地へ進む。2時間ほどで到着しての荷上げ完了。また水がくめるBCに戻りまた1泊をする。

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Day6 In Plaza de Mulas
前日昼過ぎからメンバのSINPE君に問題が発生、高山病の影響かお腹を壊したり微熱が出たりと極度の体調不良になってしまったので経過を見守るためにもう1日更にBCでステイを。写真は夕陽に染まるアコンカグア。お恥ずかしいことにこの岩山がアコンカグアだとは上のハイキャンプで出会った登山家の方に教えてもらうまで夢にも思ってなかった。むしろこの山が邪魔でアコンカグアが拝めへんやないけとメンバ全員で毒づいておりました。

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Day6 In Plaza de Mulas
コンフルエンシアに続きBCで2度目のメディカルチェックを受ける。

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Day6 In Plaza de Mulas
BCにて他の日本人にも出会う。登山家の高千穂さん。将来のツアーのプランニングも兼ねてアコンカグアに来たのだとか。写真のコモパンだったりアウトドアメーカのスポンサーもあるんだとか、この後食料のバリエーションが乏しい我々に平常時であっても嬉しい日本のレトルトだったりパンやお菓子、調味料を分けていただくことに。マジで感謝でしたm(__)m

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Day7 In Canada Camp
体調の完治の頃合いが見計れなかったのでSINPE君とはBCで別れAKNRさんと一旦2人だけで上を目指すことに。合流できるなら上のハイキャンプで数日待機してるのでそこで会おうと。ここカナダは水が手に入らないので食事に回数を減らすべく。ということで昼食後にカナダに残りの荷物を持ってやってくる。標高は5050m。

※備品分担について
今回アクシデントで別行動をすることになってしまったけどクッキングセット・ストーブ2セット、テント2張りあって本当に助かったところがある。全員が万全の体調を維持していくのは難しいと思うので予備は持ってきて正解だった。

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Day7 In Canada Camp
宇宙的な景色、惑星のどっかみたいな。

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Day7 In Canada Camp

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Day7 Sunset In Canada Camp
夕陽はキャンプ地の中でここが最高だった。

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Day7 Sunset In Canada Camp
夕陽に染まるアコンカグア。しかしながらこの時もまだアコンカグアだとは我々知らず。。この晩、そんな呪いだったのか強風に見舞われ我々のテントの中は凄まじい状態に暴風でテントの壁が常に頭にど突いてくるし、ポールが軋んだりしなりまくったりと、ほとんど寝られず。というか状態がひど過ぎて悲鳴をあげておりました。こんなテントで更に上を目指せるのかホントに不安になった日だった。

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Day8 In Nido de Condores
次なるキャンプ地ニドデコンドレスへ移動。更に400mほど上り標高は5380mに。この道中は前日の不眠もあってかかなりキツく感じられた。荷物を背負って3時間ほどでの到着だったけどヘロヘロに。

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Day8 In Nido de Condores Camp
このキャンプ地は氷河の溶けた池がキャンプ地の近くにあってそこで水が手に入る。BCでも水は手に入るけどちょっと濁っていて飲めはするけどあまりいい感じではなかったけどここはバッチリクリアな水が手に入るので結構嬉しい。ただ当然に冷たく、昼以外は凍ってしまうこと、水汲み場に行くまで軽く傾斜を昇り降りでゼーゼー呼吸が荒くなるのが難点。

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Day8 Sunset In Nido de Condores Camp
ニドからの夕陽も美しい。しかし寒いので見たらすぐにテント寝袋に篭って寝る準備を。

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Day9 Carrying left staff up to Nido
カナダに残りの荷物を引き上げるべく一度戻ってくる。そこで偶然SINPE君に再会。再会を祝いまた上に戻る我々。途中で前日と一昨日と2日連続でアタック中に人が死んでるという報告を受けゾッとする。天候には注意したほうがよさげだと肝に命じる。夜にレンジャーに天候情報を聞きに行くと各曜日と数を書いた紙を見せられ、これが天候情報だと。数字は風速を示していて70、75、80と軒並み大きな数字。。。風速80???!!なんやこれわ!絶対登れないやないけと週末までそんな感じで記載されていてこれは長期戦も覚悟が必要だなと。

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Day10 In Nido de Condores Camp
とりあえず天候が駄目なことが確定しているので休養日として過ごす。午後にてSINPE君もNidoに到着。話を聞くと下のテントでポールが折れてしまいテントは再起不能とのこと。。ということで狭くなったけどひとまず3人でテントに泊まることに。猛烈に狭いw またここで日本人3人組に出会う。このうちの一人(上下青の方)はなんと凄いことにアコンカグアやヒマラヤやセブンサミットのガイドをやっているようで、30年前にはエンジェルホールに初登攀されている猛者中の猛者。しかも三浦雄一郎御大のエベレスト遠征にも同行したりイモトのエベレスト遠征の時のガイドも勤めていたりととにかく凄まじいい経歴の持ち主。※写真はBCで再度会ったときの写真。

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Day11 Going up to Summit1
風が強いと聞いてアタックのつもりはなかったのだけど前日にヒロさん(上述のお方)にこっちの風速は日本と違って時速で示すとのことつまりは日本で言う風速15〜20m程度、また直ぐ裏に見えている岩山がアコンカグアであり頂上である、ということをここで知った我々、あれ?見えてるんならいけんじゃね?という自信がメラメラと、また最終キャンプ地から行かずともニドからで十分頂上を目指せる、適当な時間帯など簡単なレクチャーを受け、早朝より急遽アタックをすることに決定。写真はアタック開始から30分ほど、朝日でアコンカグアの影が写る。

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Day11 Going up to Summit2
ちょっと道に迷ったりして2時間経過したとこで最終キャンプ地になるはずであったBerlinを経過。迷ってるときは変な崖に登ってしまってそこで猛烈な強風も煽られ正直今日は中止にしてしまうか迷うほど萎えさせられた。※写真は下山時に撮ったモノ

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Day11 Going up to Summit3
標高6400付近、インデペンデンシアに到着し休憩。周囲はよくわからない奇岩で溢れる。

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Day11 Going up to Summit4
インデペンデンシアの休憩でDay3からほぼ同じスケジュールで動いているアメリカ人カップルと遭遇。ここで初めて自分たち以外でアタックしている人に出会いちょっとひと安心を。

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Day11 Going up to Summit5
インデペンデンシアを超えると。頂上岩峰の基部から西面の大斜面を大きくトラバースする通称大トラバースと呼ばれる道を進む。ここはズバリ尾根のような感じで自分たちの時は天候が完璧ではなかったので強風が吹き荒れれめちゃくちゃ寒い。またときおりの突風で体がフワッと浮くような感じになったりするのでストックを突き立てて体を固定したりして収まるまでじっとしないといけなかったりで大変だった。そして砂利・ガレがかなりウザくなってきて足が滑ったりうまく体制を維持できなかったりで寒さと恐怖もあって凄いイライラさせられた。

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Day11 Going up to Summit6
6600m付近、大トラバースを超えるとケイブと呼ばれるアコンカグアの頂上真下付近の岩場にたどり着いてここでゆっくり最後の休憩を取る。ここから先がグラン・カナレタと呼ばれるガレだらけの道、最後の300mの戦いが待っている。ダウンのサイズが小さくフードを被ると息苦しく、しかし帽子だけだと寒いという拷問に耐え続けてきたけど、ここにきて風で冷やされた影響か頭がちょっと痛くなってきていた。体のタイムリミットも意識していかないとヤバイなと思い始めてもいた。

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Day11 Going up to Summit7
6800mくらいで辛くなってきて頭が悶々。なんでこんなことやってんだろ?、ここで登頂できなかったらどうしようとか、日本のこととか色々悶々としてちょっと泣きそうになる。6900mを越えたあたりでそのモヤモヤが何故か消し飛び前を目指してサクサク進むことがようになる。前にいたフランス人グループも追い抜き、登頂開始から8時間半、15時25分過ぎ、ついにアコンカグアの頂きにたどり着く。登頂した時は頂上は自分だけ。ちょっと感動して泣いてしまいました。31年の人生で成し遂げて泣くのは初めてだった。

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Day11 Going up to Summit8
日本を出るときにもらった御守も一緒に記念撮影。今回もありがとうございますm(__)m

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Day11 Going up to Summit9
AKNRさんとも記念撮影。南米最高峰を制したぜ!

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Day11 Going up to Summit10
SUNNTOでも標高をチェック、当然だけど最高記録。今回は数メートルの誤差。なかなかいい感じ。

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Day11 Going up to Summit11
南米で一番高いところの景色を堪能。

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Day11 Going up to Summit12
ひと通り写真を撮って下山しようかと思ったやさき、なんとヒロさん御一行と遭遇。インデペンデンシアまで慣らしで行って戻るはずが調子が良かったのでそのまま頂上まで来てみた、とのこと。ニドからおよそ6時間での登頂だとか、早すぎ。ヒマラヤを制するオトコ達ってのはみんなこんなモノなのか化物です。

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Day11 Going up to Summit13
上りもキツかったけど下りもそれ並にキツかった。21時前になってようやくニドに戻ってきた。降りても降りても中々6000mを切らなかったりホントに長い道のりだった、日がやたら長いのが唯一の救い。この時間でちょうど陽が沈むのとほぼ同時刻。特に帰りは持っていった2リットルボトル、750mlボトル共にガチガチに凍りついてしまい飲み水が不足する大ピンチ。脱水症状ギリギリでの下山に。危なかった。

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Day11 Going up to Summit14
そしてテントに戻ると。。。テントのポールが風で折れてぐしゃぐしゃに。戻って直そうとすると更に風に煽られビリビリに。。風も強く、寒く、というか疲れすぎて何も出来ない我々。このままでは確実に凍死してしまうこと間違いないということでヒロさん御一行にお願いをして転がり込むことに。※写真は次の日の朝のモノ。もうボロボロ

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Day12 Pretty nice tent
ヒロさん御一行の南極でも使用できるという超ハイクオリティテント。朝御飯までご馳走になりまじで感謝でした。

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Day12 Lunch time
ゴミテントを片付け、荷物のパッキングを。予定よりもかなり早く登頂を達成したので食料が沢山余る。持っていけないので周りのクライマー達に食料を出来る限り配ってBCに行くことに。少しでも食べておこうと皆でボンレスハムを食す。

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Day12 Back to BC
パッキング終了しBCへ向かう。持ち帰るモノが多すぎて見た目も重さもエラいことに。そしてテントがない我々はエージェンシーのテントで1人200ペソ支払い就寝。

Day13 Fucking Rangers
ここで最悪な目に。BC以降はトイレはなくウンコ等のゴミは全て指定のゴミ袋に入れてBCに戻った時に捨てないといけない。しかしながら結構な人が紙だけだったりあまり入れていなかったりしている。私もその一人。袋にはBCのトイレでやっとけばそれでいいよという助言を頂いたので実行する。がしかし運悪くBCでレンジャーに見つかりまさかの200ドルの罰金を課せられることに。この際空の袋を持ってトイレに入っただろ!と言うレンジャー達、しかし空ではなく使い済みの紙が既に入っていた私はキッチリそうではないと言い返す。証拠なんかないやろ、ちゃんと袋を見て確認してくれ!とお願いするも頑なに見ないレンジャー達。いい加減にしてくれとと事務所にウンコが入った袋を机の上に置いたら、おまぃは狂ってんのか?と大問題に。結果調書みたいなものを取られ、200ドル手持ちでなかったのでGoproを奪われてしまうはめに(200ドル支払った際にGoproは戻ってくる)
→後日レンジャーはメンドーサで支払いができてそこでモノを受け取れるというので指定の場所に行くとここではできない、アコンカグアの事務所に戻れという非常通告。そして僕の調書にはウンコを投げつけたと記載されているらしく刑事事件になるから弁護士を用意するなりしておけと言われる始末。。。。。現在まだ連絡はきてないけどこの先どーなるのか。まさかのウンコで前科持ちになる危険がある私。アコンカグアのレンジャーはホントに心底クソなのでお気をつけください。

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Day14 On the way to Mendoza
Day13にBCにから再び16キロ近く歩きコンフルエンシアへ。ここでも200ペソ支払いまた宿泊。Day14、コンフルエンシアからオルコネスへ、ついにメンドーサに戻る。最後にもう一度アコンカグアをバックに記念撮影を。

■Next destination
To Mendoza

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